STAFF INTERVIEW 社員インタビュー

チョウ・シキン

アートセクション / VFXアーティスト / 2020年4月入社
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チョウ・シキン

想像以上にコミュニケーションの
取りやすい雰囲気です

エフェクトという仕事

私が担当しているエフェクトセクションの仕事は、特殊効果の演出です。大きく分けるなら、バトル中など、操作可能なキャラクターと敵の技に対して付けるものと、天候や背景の中で動いているものなど環境に対して付けるもののふたつがあります。エフェクトアーティストは現在社内に3人いて、私ともうひとりがUnreal Engineで作ったものを、上司が修正しつつマネジメントをしています。過去にはそうやって『NO MORE HEROES 3』のカットシーン内エフェクトなどを作りました。

GhMでエフェクトを担当していて楽しいところは、ほかのセクションとの連携が多いところです。たとえばキャラクター、モーション、プログラマーなどとのコミュニケーションがほかのアートセクションよりも多く、ゲーム全体に大きく関われるという魅力があります。もうひとつは、Unreal Engineのブループリントという機能を使い、かなり自由度高くスクリプトまで制作できることです。

というのも、エフェクトの仕事って、開発会社によってはけっこう違ってくるんです。グラフィック中心の仕事をするだけで、あまり技術面には入り込まない会社も多く、実際、以前にいた会社ではデザインオンリーの同じことを毎日くり返しているだけでした。自分がスキルアップしている感じもせず、正直、もうエフェクトをやめようかと思ったこともありました。ですからGhMに来て、さらに踏み込んでゲームを作っている感覚が得られているいまは、私にとってとてもうれしいことなんです。

Unreal Engineはおもしろいんですよ。ほかのエンジンだと、マテリアルの作成とエフェクトの演出には別々の担当がつくところですが、Unreal Engineであれば、ブループリントを使い、作っておいたマテリアルをスクリプトで組み上げ、エフェクト演出全体を作れます。もちろん全体を作らないまでも、プログラマーにマテリアルを組み込んでもらうときに、完成イメージの動画サンプルを作って渡したりなどができます。たまに簡単なモーションを作ることもありますし、背景のようなものを作る必要もあります。ですのでブループリントを勉強しておくと、実際に入社してからも即戦力になれると思います。私自身も1年足らずの勉強で、普通に使えるようになりました。

また、画面に煙ひとつ出すにも、効率非効率を問わず考えかたはいろいろあるわけで、ですからつねにほかのセクションの人たちとコミュニケーションを取り、新しいアイデアを吸収したほうがいいんです。そういうふうに、いろいろなおもしろい知識を吸収でき、伸びしろがあるのもエフェクトの魅力です。

チョウ・シキン

ただ、アート重視でプログラム的な考えかたが苦手な人は向いていないかもしれません。というのも、Unreal Engine自体も比較的新しいツールですので、実際に作業をしていると技術的な問題はよく発生するんです。でもそれをそれまでに吸収した知識などで解決できると、すごく楽しくなるんですよね。仕事が捗る楽しさもありますが、勉強するほど、自分の思い描いたゲームが作れるようになれるからです。

入社の経緯

もともと小さなころから『ドラゴンボール』や『デジタルモンスター』、中学生になって『NARUTO』、『銀魂』、『進撃の巨人』など、日本のアニメやゲームに親しみ、いつの間にか日本の文化や日本語に詳しくなっていました。中国でそれらに触れているうちに、「これは現地で一度見てみたい。実際に日本へ行かないとわからない」と思うようになって。

そこで大学時代は英語の専攻でしたが、独学で日本語を本格的に勉強し、卒業後に来日しました。それまではアートやコンピューターについてはとくに学んでもいませんでしたが、日本語学校でさらに日本語を半年、デザイン系の専門学校でMayaを 2 年間勉強し、さらにネットでUnreal Engineを独学して、ゲーム業界に入ってエフェクトデザイナーになりました。ゲーム業界に入ったのはゲームが好きだったこともありますが、最先端の CG 技術に携わりたいと思ったからですね。

それが6、7年前のこと。GhMは今年で4年めです。GhMに来るまでは他の会社でエフェクトのデザインをしていましたが、ゲームクリエイターとしてもっといろいろなことをやりたいという気持ちが募っていたんですね。そんなときにUnreal Engine に出会い、そのできることの幅に惚れ、Unreal Engineを使っている会社を探したところ、GhMが視界に入りました。『零 ~月蝕の仮面~』などプレイしており、作るものの雰囲気も理解していたので。

GhMについて

入社してみると、スタッフどうしがお互いの知見やスキルを共有し合うイベントをつねに行っていたりなど、考えていた以上にコミュニケーションの取りやすい雰囲気がありましたね。あとは人数がそれほど多くないので、自分の担当以外のセクションとやり取りすることが多く、ほかのセクションがやっていることもよく見えるのが、風通しのよさに繋がっていると思います。それからゲームがグローバル化する現在、GhMにはさまざまな国や地域からの社員が多く在籍していて、異文化への理解力や仕事の進めかた、コミュニケーションスキルなども身につくのがいいところです。

これからゲームを作る方へ

これからゲーム制作に携わろうと思っている皆さんにアドバイスをするなら、ふだんゲームに触れるときにも、自分は作り手だということを意識して、そのゲームのいい部分を画像や動画などで記録して自分のリファレンスやライブラリにしておくといいですよ。私もそうして、何百もの動画や画像をストックしています。そういうものを積み重ねていけば、実践的なセンスが自然に身につき、磨かれていくものだと思います。私は「好きなゲームは何ですか」と聞かれても、とくに答えられないんです。なぜならそういう意識でゲームに触れているから、どんなゲームでも参考になるんです。とくに自分の好みでなくても、売れているゲームには必ず見どころがあり、自分のメリットになります。

チョウ・シキン

将来について

この業界の技術革新やトレンドの変遷は早いので具体的な将来を思い描くのもなかなか難しいところですが、これからはプログラミングを含め、ゲーム制作の全体の流れの知識を身につけたいですね。今後とも多くの作品や最新技術に対する好奇心を持ち続けていきたいと思います。最終的にはUnreal Engineを使い、ひとりでも仲間とでも、思い描いたゲームが開発できればと。あとはコミュニケーションのスキル強化。外国人としての自分の語学力を活かし、スタッフのみんなとのコミュニケーションをさらに深められればと思っています。

チョウ・シキン